1. ホーム
  2. ブログ
  3. System
  4. アプリ開発に活用できる補助金・助成金を徹底解説!活用の注意点もご紹介

アプリ開発に活用できる補助金・助成金を徹底解説!活用の注意点もご紹介

アプリ開発を検討しているものの、開発費用が障壁となり、実施を躊躇する企業は少なくありません。

そこで活用したいのが、国や自治体が提供する補助金・助成金制度です。

本記事では、アプリ開発に活用できる主な補助金・助成金制度をご紹介します。活用する際の注意点や申請のコツについても、あわせてみていきましょう。

アプリ開発には補助金・助成金が利用できる

デジタル技術の進化に伴い、アプリケーションは企業のマーケティング戦略に欠かせないものになってきています。しかし、アプリ開発には費用がかかるため、実施に踏み切れていない企業も多いでしょう。

そこで、国や自治体は企業のアプリ開発を後押しするために、各種補助金・助成金制度によるサポートを提供しています

なお、「補助金」と「助成金」には以下のような違いがあります。

管轄目的特徴
補助金経済産業省中小企業庁新規事業支援や地域振興など、公益につながる事業の促進採択件数や予算が決まっているので必ずもらえるとは限らない公募期間が定められている
助成金厚生労働省雇用や労働環境の改善要件を満たすことで受給できる可能性が高い通年公募されている

いずれも国・自治体が募集を募り、審査を通過した応募者に対して資金的な援助を行う制度のことを指します。

アプリ開発に活用できる補助金・助成金の種類

アプリ開発に活用できる主な補助金・助成金には、以下のようなものがあります。自社の状況や開発するアプリの特性に応じて、最適な制度を選択しましょう。

  •  ものづくり補助金
  •  IT導入補助金
  •  事業再構築
  •  小規模事業者持続化補助金

以下では、各補助金・助成金の詳細について解説していきます。

ものづくり補助金

ものづくり補助金は、中小企業庁と、独立行政法人中小企業基盤整備機構が実施する補助金です。この補助金はアプリ開発にも適用可能です。

公式サイト:ものづくり補助金総合サイト

ものづくり補助金とは

ものづくり補助金とは、革新的サービス開発や生産プロセスの改善などを実施する際の設備投資などを支援する補助金です。

申請枠は以下の三つがあります。

申請枠の種類概要
省力化(オーダーメイド枠)人手不足の解消に向けて、デジタル技術等を活用した専用設備(オーダーメイド設備)の導入等により、革新的な生産プロセス・サービス提供方法の効率化・高度化を図る取り組みに必要な設備・システム投資等を支援する
製品・サービス高付加価値化枠【通常類型】
革新的な製品・サービス開発の取組みに必要な設備・システム投資等を支援する

【成長分野進出類型(DX・GX)】
今後成長が見込まれる分野(DX・GX)に資する革新的な製品・サービス開発の取組みに必要な設備・システム投資等を支援する
グローバル枠海外事業を実施し、国内の生産性を高める取組みに必要な設備・システム投資等を支援する

対象事業者・応募要件

ものづくり補助金の補助対象者は、日本国内に本社、または補助事業を行う場所を有し、なおかつ以下のいずれかに当てはまる事業者です。

  • 中小企業
  • 小規模事業者
  • 一定の要件を満たす特定事業者
  • 特定非営利活動法人
  • 社会福祉法人。

また、上記のどれに該当しているか、およびどの業種に属しているかによって、資本金や従業員数といった条件が異なります。たとえば、小売業を行っている組合関連以外の中小企業では、資本金5000万円以下、従業員数50名以下であることが条件となっています。

応募のための基本的な要件は以下のとおりです。

以下を満たす3~5年の事業計画書の策定及び実行
①付加価値額 年へ近成長率+3%以上増加
②給与支給総額 年平均成長率+1.5%以上増加
③事業場内最低賃金が地域別最低賃金+30円以上

出典:ものづくり・商業・サービス生産性向上促進事業 公募要領(18次締切分)1.1版

補助額

各分類ごとの補助額は以下の通りです。

申請枠補助額
省力化(オーダーメイド枠)従業員数
5人以下 :100万円~750万円
6~20人 :100万円~1,500万円
21~50人 :100万円~3,000万円
51~99人 :100万円~5,000万円
100人以上:100万円~8,000万円
製品・サービス高付加価値化枠【通常類型】
従業員数
5人以下 :100万円~750万円
6~20人 :100万円~1,000万円
21人以上 :100万円~1,250万円

【成長分野進出類型(DX・GX)】
従業員数
5人以下 :100万円~1,000万円
6~20人 :100万円~1,500万円
21人以上 :100万円~2,500万円
グローバル枠100万円~3,000万円

このほか、各分類の中で、基本要件の一つである「給与支給総額」要件よりもさらに大幅な賃上げを行う事業者に対しては、助成金額の限度額引き上げが適用されます

申請方法

ものづくり補助金の申請は電子申請のみとなっています。

申請にあたっては事前にGビズIDプライムアカウントの取得が必要です。未取得の場合には早めに登録することをおすすめします。

IT導入補助金

IT導入補助金は、IT技術を活用した業務効率化や生産性向上を支援するものです。

公式サイト:IT導入補助金2024

IT導入補助金とは

自社課題の解決のためや生産性向上のためにITツールを導入する際に活用できる補助金です。

申請枠は通常枠、インボイス枠(インボイス対応類型、電子取引類型)、セキュリティ対策推進枠、複数社連携IT導入枠の四つがあります。それぞれの概要は以下のとおりです。

申請枠の種類概要
通常枠自社課題の解決に向けたITツールの導入による業う効率化・収益性向上を支援する
インボイス枠【インボイス対応類型】
インボイス制度に対応する会計・決済・受発注ソフトの導入による生産性向上を支援する

【電子取引類型】
インボイス制度に対応する受発注システムを取引単位で導入する事業者を支援する
セキュリティ対策推進枠サイバー攻撃などによる生産性向上を阻害するリスクを回避するための対策を行う事業者を支援する
複数社連携IT導入枠複数の事業者が連携してITツールを導入し、生産性向上を目指す取り組みを支援する

対象事業者・応募要件

日本国内の中小企業・小規模事業、スタートアップ・ベンチャー企業などが対象となります。ものづくり補助金と同様、業種ごとに資本金・従業員数の条件が定められています。

また、申請にあたっては「gBizIDプライム」アカウントの取得、「SECURITY ACTION」宣言の実施、及び「みらデジ経営チェック」実施が必要です。

補助額

IT導入補助金の補助額は、各申請枠に応じて細かく定められています

補助額は以下の通りです。

申請枠補助額
通常枠1プロセス以上:5万円以上150万円未満
4プロセス以上:150万円以上450万円以下
インボイス枠【インボイス対応類型】
■インボイス制度に対応した会計・受発注・決済ソフト
補助率3/4以内、4/5以内の場合:50万円以下
補助率2/3以内の場合:50万円超〜350万円以下

■PC・ハードウェア等
PC・ハードウェア等:10万円以下
レジ・券売機等:20万円以下

【電子取引類型】
(下限なし)~350万円以下
セキュリティ対策推進枠5万円以上100万円以下
複数社連携IT導入枠■基盤導入経費、消費動向等分析経費
3000万円以下

■その他経費
200万円以下

申請方法

IT導入補助金は公式サイトからの電子申請のみとなっています

IT導入補助金の申請にあたっては、IT導入支援事業者とのマッチングが必要です。IT導入支援事業者とは、補助金の活用を検討する中小企業・小規模事業者に対するITツール活用のサポートおよび補助金の申請・実績報告手続きの支援を行う事業者のことです。

中小企業・小規模事業者はIT導入支援事業者からのITツールの提案を受け、導入するツールの選択を行ったうえで交付申請を行います。その後、ITツールの契約、納入を行い、実際にツールを活用しながら補助事業を実施し、実績報告を提出することで、補助金の交付手続きに進めます。

事業再構築補助金

アプリ開発によって自社事業の再構築を検討している場合には「事業再構築補助金」を活用できます。

この補助金は、新分野展開や業態転換、事業・業種転換等の取り組みを支援するものです。

公式サイト: 事業再構築補助金

事業再構築補助金とは

コロナやウクライナ情勢の影響を背景に、新分野展開や、業態転換、業種転換、事業再編、国内回帰等の事業再構築などに踏み切る中小企業を、経営支援するための補助金です。

申請枠は、成長分野進出枠、コロナ回復加速化枠、サプライチェーン強靭化枠の三つがあります。

申請枠概要
成長分野進出枠【通常類型】今後、ポストコロナに対応して成長する分野への事業再構築を行う事業者を支援する

【GX進出類型】今後、ポストコロナに対応したグリーン経営戦略である「実行計画」14分野の課題解決に向けた取り組みを行う事業者を支援する
コロナ回復加速化枠【通常類型】今現在、コロナの影響による債務の返済や事業再生を実行している事業者を支援する

【最低賃金類型】今現在、最低賃金引き上げによる影響を受けている事業者を支援する
サプライチェーン強靭化枠今後、ポストコロナに対応するサプライチェーンの強化に取り組もうとしている事業者を支援する

対象事業者・応募要件

事業再構築補助金の対象者となる要件は以下の通りです。

A:事業再構築指針に示す「事業再構築」の定義に該当する事業である(※1)
B:事業計画を金融機関等や認定経営革新等支援機関と策定し、確認を受けていること(※2)
C:補助事業終了後3~5年で付加価値額の年平均成長率3.0~5.0%(事業類型により異なる)以上増加
又は 従業員一人当たり付加価値額の年平均成長率3.0~5.0%(事業類型により異なる)以上増加
出典:事業再構築補助金 第12回公募の概要

なお、「事業再構築」の定義は以下の6つを指します。

  • 新市場進出(新分野展開、業態転換):新たな市場へ進出
  • 事業転換:企業の主な「事業」を別事業へ転換
  • 業種転換:企業が属する主な「業種」を別業種へ転換
  • 事業再編…事業再編により、新市場進出・事業転換・業種転換のいずれかを実施
  • 国内回帰…海外での製品製造を国内生産拠点で実施
  • 地域サプライチェーン維持・強靱化:供給不足の製品や、将来的に不足の可能性がある製品を、国内拠点で製造

ただし、国内回帰及び地域サプライチェーン維持・強靱化はサプライチェーン強靱化枠に申請する事業者のみ選択可能なため、注意が必要です。

補助額

事業再構築補助金の補助額は、以下の通りです。

申請枠補助額
成長分野進出枠【通常類型】3,000万円
【GX進出類型】中小:5,000万円中堅:1億円
コロナ回復加速化枠【通常類型】2,000万円
【最低賃金類型】1,500万円
サプライチェーン強靭化枠3億円

なお、このほか、各分類の中で、基本要件の一つである「給与支給総額」要件よりもさらに大幅な賃上げを短期で行う事業者に対しては、助成金額の限度額引き上げが適用されます

申請方法

先に挙げた補助金制度と同様、GビズIDを取得したのち、電子申請システムより申請を行います

なお、申請にあたっては認定経営革新等支援機関より、事業計画書の確認を受ける必要があります。認定経営革新等支援機関とは、一定以上の税務、金融および企業財務に関する専門的知識・実務経験を認められた、中小企業への支援事業を行う機関のことです。

中小企業庁のホームページより、認定経営革新等支援機関の検索システムを利用できます。

小規模事業者持続化補助金

アプリ開発費用が少額で済む場合には、小規模事業者持続化補助金も活用できます。

小規模事業者持続化補助金について以下で詳しく説明します。

公式サイト:小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金とは

小規模事業者等が販路開拓や業務効率化の取り組みを支援するために、経営計画に基づく経費の一部を補助するものです。

申請枠は通常枠、賃金引上げ枠、卒業枠、後継者支援枠、創業枠の5つがあります。

申請枠概要
通常枠小規模事業者自らが作成した経営計画に基づき、商工会・商工会議所の支援を受けながら行う販路開拓等の取組を支援。
賃金引上げ枠販路開拓の取り組みに加え、事業場内最低賃金が地域別最低賃金より+30円以上である小規模事業者※赤字事業者は、補助率 3/4に引上げ。
卒業枠販路開拓の取り組みに加え、雇用を増やし小規模事業者の従業員数を超えて事業規模を拡大する小規模事業者
後継者支援枠販路開拓の取り組みに加え、アトツギ甲子園においてファイナリスト及び準ファイナリストに選ばれた小規模事業者
創業枠産業競争力強化法に基づく「特定創業支援等事業の支援」を受け、販路開拓に取り組む創業した小規模事業者

出典:小規模事業者持続化補助金<一般型>ガイドブック

対象事業者・応募要件

小規模事業者持続化補助金では、先に挙げた三つの補助金制度の対象者と異なり、名前の通り、より小規模な法人、個人事業主、特定非営利活動法人が対象となります。

具体的な従業員数は、商業・サービス業では5人以下、宿泊業・娯楽業および製造業その他では20人以下と定められています。

補助額

各申請枠の補助額は以下の通りです。

申請枠補助額
通常枠50万円
賃金引上げ枠200万円
卒業枠200万円
後継者支援枠200万円
創業枠200万円

このほか、インボイス特例に適用される場合には、各補助額に上限50万円が上乗せとなります

インボイス特例の要件を満たすには、2021年9月30日から2023年9月30日までの間に一度でも免税事業者であったことがあり、かつ、請求書発行事業者の登録を受けている必要があります。

申請方法

電子申請、または郵送により申請手続きを行います

電子申請を行う場合には、先に挙げた補助金と同様、GビズIDプライムアカウントを取得する必要があります。

また、郵送で手続きを行う場合には、商工会および商工会議所の所在地によって郵送先が異なるため、誤りのないよう注意が必要です。

アプリ開発で補助金を活用するときの注意点

補助金・助成金を活用してアプリ開発を行う際の注意点として、以下の3点を紹介します。

  • 補助金、助成金は前払いではないこと理解する
  • 提出書類の不備や不正使用がないようにする
  • 事業期間外の支出は経費として認められない

ひとつずつみていきましょう。

補助金、助成金は前払いではないこと理解する

補助金や助成金の多くは後払いです。そのため、アプリ開発に必要なお金については、まずは自己資金を用意する必要があります

事業総額と同額の資金を用意しておくことが大切です。また、補助金は必ず申請が通るとは限らない点も、後払いである点と合わせて注意しましょう。

提出書類の不備や不正使用がないようにする

アプリ開発で補助金を活用する時には、提出書類の不備や不正使用がないように徹底することが重要です。また、申請時だけでなく、支給後に提出する書類があることも確認しておきましょう。

不備や不正があった場合、支給が受けられないこともあります。また、事業終了後も書類は5年間の保管が必要です。書類の管理および手続きに不安がある方は専門家への依頼を検討することをおすすめします。

事業期間外の支出は経費として認められない

事業期間外(前後)の支出は経費として認められない点に注意が必要です。補助金には事業期間が定められているので、スケジュールをたてて事業期間を確認し、支出期間がずれないようにしなければなりません

アプリを早期に収益化するにはスピード性が求められるため、早く開発を進めたいと考えるかもしれませんが、経費として計上するためにも、事業期間を念頭に置きながら開発スケジュールを立てることが大切です。

アプリ開発の補助金採択率を高めるポイント

補助金は、申請したからといってすべてが採択されるわけではありません。また、申請に向けては多くの準備が必要となります。

手続きを正確にすすめ、採択率を高めるには申請代行事業者の活用が効果的です。以下では代行サービスを活用するメリット・注意点・選び方を解説します。

申請代行事業者を利用するメリット

申請書の作成には、公募要領に目を通しながら、様式や必要書類を確認し適切な内容を記載しなければならず、手間がかかります。申請代行事業者に依頼すれば、こういった手間を省くことが可能です。

また、申請代行事業者はこれまでの実績なども多く、コツやポイントを理解しているため、採択につながりやすいという点もメリットです。そのほか補助金の最新情報も教えてもらえるので、より自社にあった補助金を利用することにもつながるでしょう。

さらに、事業計画や経営、労務管理についても相談が可能です。

申請代行事業者を利用する際の注意点

申請代行事業者を利用する場合、事業者に対して報酬を支払わなければなりません。申請の結果不採択となった場合も、相談料として費用が発生することもあります。

また、申請に関してはサポートしてくれるものの、申請後はサービス外となり、事業報告書など事業実施後の資料作成などは自分で着手しなければならないケースもあります。

あらかじめ、料金体系やサービス範囲を確認したうえで依頼を検討しましょう。

申請代行事業者の選び方

申請代行事業者を選ぶ際のポイントは、以下のとおりです。

  • 資格の有無
  • 実績の豊富さ
  • 料金体系
  • サポート体制

このほか、アプリ開発自体への知識の有無も確認したいポイントです。補助金申請へのサポートとともに、アプリの開発自体へのアドバイスや支援を受けられる可能性もあります

資格で選ぶ場合、国家資格を持つ士業や民間のコンサルタントまでさまざまな資格をもつ方が存在します。自社のニーズに合った適切な資格を持つ事業者を選ぶことが大切です。

まとめ

アプリ開発に活用できる補助金には、以下の4つがあります。

  • ものづくり補助金
  • IT導入補助金
  • 事業再構築補助金
  • 小規模事業者持続化補助金

それぞれ、金額や対象者、期間などが異なるため、よく確認したうえで、自社に合ったものを選びましょう。

また、補助金を利用する際には、定められた事業期間内に開発を行い、経費として計上する必要があります。そのため、アプリの開発事業者との連携が非常に重要です。

relationでは、お客様とのヒアリングをもとに最適な開発プランをご提案し、スケジュールの変動にも柔軟に対応できる体制を整えています。補助金・助成金の手続きに関してもサポートが可能です。

ブラウザで動作するWebアプリから、オフラインでも動作するネイティブアプリ、ハイブリッドアプリにも幅広く対応しています。

お見積りのご相談からお気軽にお問い合わせください。

SHARE

この記事を書いた人

杉山 隼

ゼネラルマネージャー

sugiyama

IT業界歴20年の自他ともに認めるワーカーホリック。
人生は死ぬまでの暇つぶしをモットーにあまり何も考えずに生きておりますが、大抵のことはどうにかなると学びました。日々、プロジェクト管理や顧客との折衝、見積や商談を行っています。