アプリ開発の需要が高まる中、開発を外部に委託することは、有効な選択肢の一つです。しかし、委託先の選び方や具体的な進め方について、不安を抱える方も多いのではないでしょうか。
この記事では、アプリ開発の主な委託先や、委託するメリット・デメリット、委託する際の流れ、委託先の選び方などを解説していきます。
アプリ開発の主な委託先は2つ
アプリ開発を委託する際の主な選択肢は、以下の2つです。
- アプリ開発会社
- フリーランス
それぞれに特徴があり、開発規模や予算、期待する成果によって適切な選択が異なります。詳しくみていきましょう。
アプリ開発会社
アプリ開発会社に依頼した場合、開発のためのプロジェクトチームを組み、エンジニア複数名で開発にあたるのが一般的です。
アプリ開発会社は、規模や得意分野により、依頼できる範囲や時間、コストなどが異なります。そのため、複数の開発会社に相見積もりをとったうえで検討するとよいでしょう。
多くの選択肢の中から、開発内容や予算に見合う会社が選択できる点がメリットです。
フリーランス
フリーランスのエンジニアへの委託も、アプリ開発における選択肢の一つです。小規模のアプリ開発には向いています。
ただし、フリーランスは開発スキルやスピードなどに個人差があるため、スキルや経験値をよく見極めたうえで依頼する必要があります。マッチングサイトなどでフリーランスを探すことも可能ですが、知人から紹介を受けると、実績なども把握しやすく、より安心して依頼できるでしょう。
アプリ開発を委託するメリット
アプリ開発を外部に委託する主なメリットとしては、次の4点が挙げられます。
- エンジニア不足を解消できる
- 高品質なアプリ開発が可能となる
- コストを削減できる
- 開発後のサポートも依頼可能
それぞれみていきましょう。
ここでは、主なメリットについて詳しくご説明します。
エンジニア不足を解消できる
アプリ開発を外部に委託すれば、自社内にエンジニアがいなくてもアプリ開発が可能になります。
自社がアプリ開発とは無縁の業種であれば、アプリ開発はかなり困難です。しかし委託することで独自のアプリ開発が叶います。
特に、単発でのアプリ開発を検討している場合は、リソースを柔軟に確保できる委託という選択は合理的といえるでしょう。必要な時に必要なスキルを持つ人材を確保できるため、効率的にプロジェクトを進めることができます。
高品質なアプリ開発が可能となる
アプリ開発を専門としており、実績や知識のある委託先を選べば、技術面等において高品質なアプリ開発が実現できます。クオリティはもちろん、セキュリティ面においても安心できるでしょう。
利便性やクオリティ、セキュリティ面など、あらゆる面で高品質なアプリを開発することで、多くのユーザーにダウンロードされる可能性が高まります。
コストを削減できる
アプリ開発を外部に委託することは、コスト削減にもつながります。
自社内で開発を実施する場合、エンジニアの採用や育成に、時間とコストがかかります。また、開発にあたっての設備や機器の取り揃えなど初期費用が発生します。
開発会社に依頼することで人材確保や設備に向けたコストを削減することが可能です。浮いたコストを委託の費用に充てれば、アプリのクオリティ向上にもつながります。
開発後のサポートも依頼可能
アプリ開発を外部に委託すれば、リリース後の適切な保守運用や、トラブル発生時の対応など、サポートについても依頼できます。特にリリース直後は不具合やトラブルも発生しがちなため、迅速に適切な対応を期待できるのは大きなメリットです。
他にも、ストア登録やプロモーションなどの依頼を任せられるケースもあります。数々のアプリ開発をしてきた知見を活かし、自社で行うよりも効果的なプロモーションが実施可能です。
継続的なサポートを受けられることで、アプリの長期的な成功につながる可能性が高まります。
アプリ開発を委託するデメリット
アプリ開発を委託することには、メリットがある一方で、次のようなデメリットも存在します。
- 自社ノウハウの蓄積がされない
- 期待していた成果を得られない場合がある
メリット・デメリットの両方を把握したうえで、委託を検討しましょう。
自社ノウハウの蓄積がされない
アプリ開発を外部に委託することによるデメリットの一つが、自社内にノウハウが蓄積されないことです。
委託では、定例会議や報告書によって作業状況の把握はできるものの、実際の作業自体を細かく見ることはできません。そのため、具体的なアプリ開発のノウハウを得ることは難しいといえます。
将来的に自社での開発を検討している会社が、外部への委託を検討する際には社内エンジニアの成長機会を考慮する必要があります。
期待していた成果を得られない可能性がある
アプリ開発を外部に委託する場合、成果物のクオリティは委託先に依存する点にも注意が必要です。
委託先に属するエンジニアの技術力には差があり、それぞれに得意とするジャンルも異なります。そのため、自社アプリと委託先の相性が悪ければ、当初期待していた成果を得られない可能性があります。
希望通りのアプリ開発を実現するためにも、自社のアプリ開発を任せるに値する委託先であるかを、あらゆる角度から検討する必要があります。
アプリ開発を委託する際の流れ
アプリ開発を委託する際には、一般的に以下のような流れで進められます。
各ステップの詳細について解説します。
アプリの概要の決定
まずは、開発したいアプリのイメージを具体化し、社内で共有します。アプリの目的やターゲット、開発期間や予算について、社内会議で決めておきましょう。
イメージがあいまいなまま開発を委託すると、打ち合わせが間延びして人件費がかさんでしまうため、このフローはとても重要です。具体的なビジョンを持つことで、委託先とのコミュニケーションもスムーズになります。
企画書作成
先工程で決定したアプリの概要や開発期間、予算をもとに、企画書の作成を行います。自社のビジネスとの相関や、アプリ作成の目的やビジョン、ユーザーにどのような体験を提供したいかといったポイントを盛り込みながら、企画をまとめましょう。
委託先によっては企画書作成から対応してくれるケースもありますが、一般的には発注側が主導し、企画書を作成します。
外注先選定・見積もり依頼
作成した企画書をもとに、委託先候補をリストアップしていきます。それぞれの候補にどのようなアプリ制作実績があるのかを確認し、作りたいアプリに類似した系統の制作実績のある会社を絞り込みましょう。
この際、自社にとっての優先順位を事前に決めておくと、選定する際の判断基準となります。候補を数社に絞り込めたら、それぞれに見積りを依頼し、相見積もりを取ります。予算も鑑みて、自社の想定する条件とマッチした委託先を選定しましょう。
要件定義
正式に委託先を決定したら、開発プロセスの最初の工程である要件定義を行います。要件定義とは、システムの概要を詰めていく重要なフェーズです。要件定義で決めたことを満たしているかどうかが、完成したかどうか判断基準につながります。
社内の企画メンバーだけでなく、関わるすべてのステークホルダーの意見も聞きながら固めていき、委託先と齟齬のないようすり合わせを行うことが重要です。
アプリ開発の要件定義については、以下の記事でより詳しく紹介しています。
設計・開発
設計、開発のフェーズは外注先主導となっていきます。発注側は、こまめに進捗を確認することが重要です。
この段階での齟齬が生じていることに気づかず、終盤で修正が必要になった場合、追加コストがかかったり、スケジュールが後ろ倒しになってしまうことがあります。進捗状況や問題の有無を確認するために、定例会を開催するのが望ましいでしょう。
各種テスト
実装したアプリが正確に動くかどうか、実際に利用する環境下でテストを行います。テストをしないことで後々トラブルにつながることもあるので、予算や期間が削られても実施するべきです。
なお、単体テスト、結合テスト、総合テストは委託先が実施しますが、実際のシステム運用下での稼働状況をチェックする「受入れテスト」は発注者側が行います。
プロモーション・リリース
テストの結果に問題がなければ、完成としてリリースをします。
社内運用アプリの場合は使い方などの説明会やレクチャーを実施し、社外で使っていく場合はより多く利用してもらうためのプロモーションを実施します。
保守・運用
リリース後も保守、運用を続けます。運用も専門的な知識や経験が必要になるので、予算が許せば開発会社に依頼し、ダウンロードアップのためのアップデート等を継続して委託すると良いでしょう。
定期的なアップデートやバグ修正、新機能の追加など、継続的な改善を行うことで、ユーザーの満足度を高め、アプリの長期的な成功につなげることができます。
アプリ開発の委託先を選ぶ際のポイント
ここでは、アプリ開発の委託先を選ぶ際の重要なポイントを、いくつかご紹介します。
自社が希望するアプリとの相性を確認する
アプリ開発を委託する際には、委託先の得意分野を確認することが重要です。自社が作成したいアプリのジャンルおよび品質と、委託先の技術力や得意ジャンルとの間に乖離があれば、期待通りのアプリ開発の実現は難しくなります。
リサーチ段階で委託先の得意分野を確認する際には、これまでの実績を確認するとよいでしょう。具体的な事例をみて、アプリ開発で関わってきた業界や規模を確認することは、自社にとって最適な委託先であるかを判断する材料のひとつになります。また、実績を見ることで、専門知識の有無の確認も可能です。
あらかじめ自社でアプリに望むものを明確にしておくことも重要です。プロジェクトメンバー間で、希望とするアプリの品質や仕様、デザイン、機能などを洗い出し、委託先へ対応可否を確認することで、ミスマッチを回避できます。
コミュニケーションの取りやすさを確認する
アプリ開発を外部に委託すると、発注者と開発者の間で、様々なコミュニケーションが発生します。そのため、委託先を選ぶ際にはコミュニケーションの取りやすさも確認しておきましょう。
コミュニケーションが上手くいかないと、余計なフローやトラブルが発生し、コストがかさんでしまうリスクもあります。要望について細かいヒアリングがあるか、難しい言葉を使わず丁寧に説明してくれるか、企画内容を汲んで提案してくれるか、などに着目しましょう。
セキュリティ、サポートの充実度を確認する
セキュリティ、サポートが充実しているかどうかの確認も重要です。アプリ開発では、情報漏洩のリスクも潜んでいます。アプリによっては、顧客情報や社内の機密情報など重要なデータを扱っている場合もあるでしょう。
何かミスが起こったり、アップデートにより脆弱性が生まれることで、これらの情報が漏洩すると、自社の信頼を揺るがす大問題になりかねません。また、アプリは開発後も長期的に保守運用しアップデートする必要があります。
セキュリティトラブルが発生しないような体制が整っているかを確認するとともに、万が一の時に安心して相談できるかという目線でパートナー選びをすることが大切です。委託先のセキュリティポリシーや対策、サポート体制について詳しく確認しましょう。
費用体系を確認する
委託先によって、アプリ開発の費用は異なります。また、自社が希望するアプリの規模やクオリティに応じても費用は左右されます。
一般的に、アプリ開発を委託した際の費用の大部分は人件費が占めるため、機能の追加やバグの修正対応などで開発期間が長期化してしまうと、開発費用も高額になりやすいです。
そのため、複数の委託先から相見積もりをとり、費用相場から外れた料金設定になっていないかを確認し、自社にとって無理のない費用体系をとっている委託先を選択することが大切です。
まとめ
アプリ開発の外部委託には、エンジニア不足の解消や高品質な開発の実現、コスト削減といったメリットがあります。その一方で、自社ノウハウの蓄積がされにくいという点はデメリットです。
委託先を選ぶ際には、自社の希望するアプリとの相性、コミュニケーションの取りやすさ、セキュリティやサポートの充実度、費用体系などを総合的に判断する必要があります。
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