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Google「AIモード」日本上陸|SEOへの影響と取るべき3つの対策【SEO担当者’s レポート】(2025年9月版)

AIモード日本上陸

はじめに

2025年8月21日、Googleはついに「AIモード」を日本でも公開しました。
これにより、検索結果にAIによる要約回答が表示されるようになり、従来の検索体験が大きく変わり始めています(一部非対応)。

「上位表示されればアクセスが増える」というこれまでの常識は、これから少しずつ変わっていくかもしれません。
今回はAIモードの概要とSEOへの影響、そして担当者が今すぐ取り組むべき対応策を解説します。

今月の注目トピック|Google「AIモード」とは?

AIモードの概要

AIモードは、検索クエリに対してGoogleがAIを活用して要約した回答を直接提示する機能です。
従来の「AI Overviews(旧SGE)」を発展させた形で、日本語でも本格的に導入が始まりました。

現時点では英語での応答に限定されていますが、今後さらなる言語や地域への拡大が見込まれています(2025年8月時点)。

AI Overviewsについて詳しくは『AI Overviews(AI検索)のWebサイトへの影響とCTRの変化』をご覧ください。

ユーザー体験はどう変わる?

  • 疑問を入力すると、AIが要点をまとめて表示
  • その下に「参照リンク」としていくつかのページが紹介される
  • ユーザーは詳細を知りたい場合のみリンクをクリックする

つまり、ユーザーがページを訪れる前に「AIがフィルタリング」する仕組みです。
これにより、SEO担当者にとっては「クリックされるハードルが上がる」一方で、「AIに引用されれば新たな流入機会になる」という両面の影響が考えられます。

SEO担当者にとっての影響

CTR(クリック率)低下リスク

AIモードが有効化されると、検索ユーザーがリンクをクリックせずにAI要約だけで解決してしまうケースが増える可能性があります。
これは従来の「上位表示=アクセス増」という構図を揺るがす大きな要因です。

海外で先行導入されている「AI Overviews」に関する調査では、その影響が具体的に報告されています。

Amsiveの調査によると、AI要約が表示された検索結果ではCTRが平均で15.49%低下し、さらにFeatured Snippetsと重なるケースでは最大37.04%もの低下が確認されました。
非ブランドキーワードでは約19.98%減少という結果も出ています。
※参照:Amsive「Google AI Overviews: New CTR Study Reveals How to Navigate Negative SERP Impact」(2025年8月時点)

またAhrefsの分析では、30万以上のキーワードを対象にした調査で、AI要約が表示されると検索結果1位のCTRが34.5%減少することが確認されています。
※参照:Ahrefs Blog「Google AI Overviews Hurt Click-Through Rates」(2025年8月時点)

これらはAIモードそのものを対象にしたデータではありませんが、仕組みが共通しているため、日本で展開されるAIモードにおいても同様の傾向が現れる可能性が高いと考えられます。

広告枠・検索行動の変化

広告の表示位置が相対的に下がり、広告のインプレッション数やクリック数にも影響が出る可能性があります。
また、「AIに相談する」感覚で長文クエリや会話調の検索が増えることも予想され、SEO戦略の見直しが必要です。

E-E-A-Tと一次情報重視の加速

AIは「信頼できる情報源」から回答を生成します。
そのため、Googleが公開している「検索品質評価ガイドライン」でも強調されているE-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)がこれまで以上に重要です。
(※参照:Google「Search Quality Evaluator Guidelines」(2023年版))

特にオリジナルなデータや一次情報を持つコンテンツは引用されやすくなるため、独自性のある情報発信が今後の鍵になります。

E-E-A-Tについて詳しくは『【SEO対策とは?】初心者向け!検索上位に導くための基本とやさしい解説』をご覧ください。

今すぐできる3つの対応策

①タイトル・ディスクリプションの最適化

クリック率が下がる中で、ユーザーが「クリックしたい」と思うような訴求をタイトル・ディスクリプションに盛り込みましょう。

Ahrefsの調査では、数値や具体性を含むタイトルはクリック率が15%向上するという結果も出ています。
(※参照:Ahrefs Blog「How to Write Titles That Get Clicks」)

②一次情報の強化

「AIに引用される対象」になるためには、他にない情報を発信することが重要です。

  • 自社の調査データ
  • 成功・失敗の事例
  • 専門家の知見

こうした情報はAI回答に取り込まれやすくなります。

③内部リンクと回遊性の改善

AI経由でページを訪れたユーザーは「短時間で答えを探したい」と考えているケースが多いです。
関連コンテンツへの内部リンクを設けておくことで、直帰率を下げ、回遊を促せます。

よくある勘違いと注意点

AIモードが日本でも公開され、SEOに関心を持つ方の中には「もうSEOは意味がないのでは?」といった不安の声も少なくありません。
しかし、実際には勘違いや誤解から来る不安も多く存在します。

ここではよくある3つの勘違いを整理し、正しい理解と今後のSEOに向けた考え方を解説します。

AIモードが始まったらSEOは終わり?

いいえ、SEOは終わりません。
確かにAIモードによりクリック率は減少する可能性がありますが、SEOの本質は「ユーザーに役立つ情報を提供すること」。
AIが情報を要約する時も、信頼性が高く質の良いコンテンツは引用される可能性が高まります。SEOの重要性はむしろ高まっていると考えられます。

AI対策だけすれば十分?

いいえ、従来のSEOも引き続き重要です。
AIモードへの最適化(一次情報やEEAT強化)は大切ですが、それだけで成果が出るわけではありません。
サイト構造の最適化、モバイル対応、表示速度改善といった従来のSEO施策も組み合わせることで、総合的に評価されやすくなります。

AIに情報を取られたらアクセスは減るだけ?

部分的には正しいですが、それだけではありません。
確かにAI要約により一部のクリックは減少します。しかし、AIが回答内で自社サイトを引用してくれるケースでは「新しい流入経路」としてプラスに働きます。
つまり「アクセスが減るだけ」ではなく、AI時代ならではのチャンスも存在することになります。

まとめ|AI検索時代、日本でも本格スタート

2025年8月、日本でGoogle「AIモード」が公開され、検索は新しいフェーズに突入しました。
SEO担当者にとってはこれまでの「上位表示=アクセス増」という単純な構図が変わり、クリックされるための工夫やAIに引用されるための戦略がますます重要になっています。

今回の記事で解説したように、特に意識すべきは下記3点です。

  • クリックされる工夫(CTR最適化)
  • 信頼される情報(EEAT強化)
  • 自社ならではの情報発信(一次情報化)

AI検索時代は確かに従来のSEOを揺るがす存在ですが、同時に新しい流入経路を切り開くチャンスでもあります。
早い段階で正しい対応を始めた企業ほど、競合との差を広げられるでしょう。

※補足 – 引用データについて

本記事で引用したCTRデータは海外で先行導入されている「AI Overviews」に基づく調査結果です。
日本で展開される「AIモード」は仕組み的に共通点が多いため、同様の傾向が現れると予測されていますが、国内データについては今後の調査を待つ必要があります。

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この記事を書いた人

N・I・りこ

SEO戦略設計から行うライター・Webデザイナー・翻訳

N・I・りこ
22年12月入社。前職は日本語教師。マダガスカル在住中、とあるWebデザインに魅了され転身。現在はrelationでSEO×Webデザインの両軸で活動中。 これまで累計100本以上のSEO記事を執筆し、企画・構成からKW選定、執筆・改善提案までを一貫対応。担当記事の中には検索上位1〜3位を長期間維持したものや自然検索流入が約2.5ヶ月で2万件超えを達成した事例も。 特に検索意図に基づいた読者導線の設計やE-E-A-Tを意識したコンテンツ構成を得意とし、記事単体で終わらないSEO戦略寄りの支援を強みとする。Web制作と連携したコンテンツSEOのご相談も多数対応中。